ryoakasu's blog

システム開発会社に勤務中。仕事で感じたこと、気付いたことをメモしていきます。

システムは最終手段であると仮説を立ててみる

ソフトウェア・受託開発市場の不透明感に強く不安を感じています。

船井総研の長嶋淳治さんがブログで以下のように述べられていました。

『どこに自社のコアを置くのか』
今ほど、この質問を真摯に捉える必要がある時代は無いと感じます。

http://japan.cnet.com/blog/0026/2010/04/30/entry_27039532/

この問いが心にグサっと突き刺さりました。連休中にちょっと考えさせられました。

まず、顧客にとってシステムは最終手段であると仮説を立ててみました。

システム開発会社が突きつけられている市場では、IT化支援という文言では何も感動を呼ばないし、もはや時代遅れである。
私たちは単純にシステムを提供することを望まれてはいない。
誤解を恐れずに言えば、顧客はシステムなどという未知魍魎の類いに興味はない。むしろブラックボックス化したものに対して胡散臭さすら感じるだろう。

顧客の立場に立って、自分達がどうやったら売り上げが伸びるのか?どうやったら利益が生まれるのかである。その問いに答えてあげること。または一緒になってその問いに自問自答出来ることが望まれている。

ドリルを売る時に、私たちはドリルそのものを売ってはいけない。
顧客が欲しているのは、ドリルで空けた穴が欲しいのだ。顧客はドリルを欲している訳ではなく、ドリルで空けた穴に興味、関心があるのだから。

自分たちが築いてきたシステムや、技術力をサービス化することが課題だ。
顧客の目線は常にシステムで実現できるコストダウンや営業力強化や安全性の確保だったりする。そういう視点なしに、顧客と対面しても欲しがるものを提供することはできない。

だからこそ、自社のコアをどこに置くのか。それを今一度、真剣に問い掛ける必要があります。開発力なのか、人材供給力なのか。マーケティング力なのか、営業力なのか。金融(資本力)なのか、それともサポート力なのか。SI企業は、それらを平均的に確保し、総合力で市場を席捲しました。しかし、これからは総合力よりも専門力の時代です。それはマーケットが縮小均衡に入り、顧客の要望も多様化するという環境面での条件があるからです。あなたの会社はどこにコアがありますか?

http://japan.cnet.com/blog/0026/2010/04/30/entry_27039532/

では自社が顧客に提供できるサービスとは何だろうか?

開発(技術)力、人材供給力、マーケティング力、営業力、金融(資本投下)力。一体何が自社の強みなのだろう。

これまでの下請けシステム会社は人材供給力であった。だが、これからは技術者(人材)はデフレの一途である。私たちは目の前に広がるデフレスパイラルから脱却しなければいけない。

中小企業である私たちには、資本力などない、これは却下だ。ここで勝負してはいけない。広告宣伝費を大量に投下することなど不可能だ。WEBをどれだけ活用できるか考えるべきだ。

営業力はどうか。営業マンの端くれとして、これまではそれを実践することが私のミッションだと信じていた。だが、現実を直視したときに、ガンガン行こうぜの営業は現代では通用しない。そもそも大手SIerなどと比較したときに営業担当者の数が不足している。(専任者がそもそもいない。)顧客と対面でニーズを引き出す経験、ノウハウがないのだ。これを下請け根性というのだろう。

では、人脈をフルに活用したマーケティングを展開して、ターゲットとなる顧客の欲するものをリサーチしてはどうか。
その場合のターゲットは所在地から移動1時間圏内にある中小企業となる。具体的な業種はと言えば、市内を見渡すと製造業ということになる。それらからニーズを引き出す。
それと同時にIT関係のカリスマとしての絶対的な地位を確保する。自社をブランド化して一目置かれる存在にならなければいけない。
具体的な施策を考える。ご用聞き、セミナー、情報発信。顧客の内部に入り込む術ならば何でもやるべきだ。

開発力はどうだろうか。自社に技術力が全くないわけではない。そもその技術者が集まって出来上がった会社なのだ。ただし下請けとして大手SIerからのおこぼれに満足していたこれまでを振り返ってみると、尖った技術、他の誰にも真似できない技術があるかと言えば、正直自信がない。

見当たらなければ、探せば良い。なにかあるはずだ。見えていない何かが。それが見つけられなければ、会社の存在意義が無いことになってしまう。組み合わせることで新しい何かを創造すれば良い。または不足を補えば良い。もしくはいっそのこと、再定義してみよう。
まだまだやれることはある。