「なれるSE」を読んでみた。
- 作者: 夏海公司,Ixy
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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なんでも、日経IT Proの記事で紹介されたそうな。
いわゆるライト・ノベルと呼ばれるジャンルにあたる小説で、日本のシステム開発の現場を舞台にしたお話です。
現在、8巻まで刊行されています。早速、本屋で1巻目を購入してみました。しかし、この表紙の可愛らしい女の子の絵はなんなんだろう。買うのに躊躇してしまします。「もしドラ」みたいだなと思いました。とりあえず、表紙を裏にしてレジへ持って行きました。当然、カバーも掛けてもらいます。
帯には「システムエンジニアの過酷な日々(デスマーチ)をコミカルに描く問題作!」とあります。期待が持てます。
ページの間に、ところどころ挿絵されています。それがまた可愛らしい女の子の絵が挟まっていて、電車の中では、ちょっと読みにくい。周りの目を気にしてしまいます。
ただ、中身はいたって普通で、新卒でネットワーク系の部署に配属された男性SE社員と、上長の女性技術者とのOJTがお話の中心です。この業界では、パソコンもろくに触ったことが無い社員が、業務に就くことが普通なんですよね。
以下は、ネタばれも含まれます。
新人SE君はいきなり、ルーターのコンフィグファイルを完成させろ、とタスクを振られます。
そこで、ググってサンプルをコピペして完成させます。よくある話です。。。自分で修正を加えた箇所以外は知らん顔です。当然、怒られます(笑)
「サンプルをコピーしただけだから分かりません、とでもお客に言うつもり?」
「仕事の締め切りは今日中っていったでしょ。あんたの終電なんて、お客さんには関係ない。スキル不足で仕事が出来上がらないなら、その分、かける時間でカバーするだけよ」
多分こういうセリフ、社会人経験の無い子がいきなり言われると、ショックでしょうね。
めげそうになりつつ、この新人君が偉いのは、家帰って徹夜で勉強するところです。現実には、これが出来ないケースが多いのです。業務中にキャッチアップなんて、そうそう出来ませんし。
ミスも有りつつ、なんとか翌日に完成させた新人君が、pingを飛ばして応答が返ってきたときが感動ものです。
一瞬遅れて、ざわりと鳥肌が立つ。なんとも言えない感覚が意識を満たした。背筋がぞくぞくする。うわ、やばい。なんというか、これは――。
そう、ソフト屋は職人なのです。