ryoakasu's blog

システム開発会社に勤務中。仕事で感じたこと、気付いたことをメモしていきます。

「なれるSE」を読んでみた。

なれる!SE―2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)

なれる!SE―2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)

 お取引先様との雑談の中で「なれるSE」という文庫本が面白いと、伺いました。

 なんでも、日経IT Proの記事で紹介されたそうな。

 いわゆるライト・ノベルと呼ばれるジャンルにあたる小説で、日本のシステム開発の現場を舞台にしたお話です。

 現在、8巻まで刊行されています。早速、本屋で1巻目を購入してみました。しかし、この表紙の可愛らしい女の子の絵はなんなんだろう。買うのに躊躇してしまします。「もしドラ」みたいだなと思いました。とりあえず、表紙を裏にしてレジへ持って行きました。当然、カバーも掛けてもらいます。

 帯には「システムエンジニアの過酷な日々(デスマーチ)をコミカルに描く問題作!」とあります。期待が持てます。

 ページの間に、ところどころ挿絵されています。それがまた可愛らしい女の子の絵が挟まっていて、電車の中では、ちょっと読みにくい。周りの目を気にしてしまいます。

 ただ、中身はいたって普通で、新卒でネットワーク系の部署に配属された男性SE社員と、上長の女性技術者とのOJTがお話の中心です。この業界では、パソコンもろくに触ったことが無い社員が、業務に就くことが普通なんですよね。

 以下は、ネタばれも含まれます。

 新人SE君はいきなり、ルーターのコンフィグファイルを完成させろ、とタスクを振られます。

 そこで、ググってサンプルをコピペして完成させます。よくある話です。。。自分で修正を加えた箇所以外は知らん顔です。当然、怒られます(笑)

「サンプルをコピーしただけだから分かりません、とでもお客に言うつもり?」

「仕事の締め切りは今日中っていったでしょ。あんたの終電なんて、お客さんには関係ない。スキル不足で仕事が出来上がらないなら、その分、かける時間でカバーするだけよ」

 多分こういうセリフ、社会人経験の無い子がいきなり言われると、ショックでしょうね。

 めげそうになりつつ、この新人君が偉いのは、家帰って徹夜で勉強するところです。現実には、これが出来ないケースが多いのです。業務中にキャッチアップなんて、そうそう出来ませんし。

 ミスも有りつつ、なんとか翌日に完成させた新人君が、pingを飛ばして応答が返ってきたときが感動ものです。

一瞬遅れて、ざわりと鳥肌が立つ。なんとも言えない感覚が意識を満たした。背筋がぞくぞくする。うわ、やばい。なんというか、これは――。

 そう、ソフト屋は職人なのです。